『Rose Exs Tia』comments on a song..

9 Magna Mater


生まれ故郷、そしてたった一人の家族との別れをテーマにした曲。

楽団の演奏は無事成功を収めました。
ソシエナの歌は町の人達に伝わったのかはわかりません。
ただこれまで重苦しかった町の人達の表情に、どこか穏やかさを含んでいるような・・
そんな感じにも見えます。

演奏会の興奮も落ち着きを見せ始めた頃、
今日は楽団『Rose Exs Tia』の旅立ちの日。
いつもの朝とは違う言葉・・
楽団のメンバーはその二人を遠くから見守り続けました。

「たった一度の我が儘を・・許してください・・」
「ううん、あなたの選んだ道なのだから・・いってらっしゃい・・」

母の表情は、朝の陽だまりのように穏やかでした。
(母は全部知っていたのかな・・。)

母親は病気から回復、過去の過ちを反省し、その後は娘を大切にします。
ただあの頃の束縛はなく、娘が本当にやりたいことを影から応援すると決めました。
母親は娘が大切にしまっていた、手紙を偶然にも見つけます。娘が夜中に教会に歌いに行くことも知っていながら、見守り続けていたのです。

「本当にやりたいことを見つけた娘を、快く旅立たせてあげよう。
 もう私の心配から開放させてあげなければ・・。」


ソシエナは今、町を一望出来る丘にいます。
そして一度だけ振り返ります。15年間過ごしてきたこの町を、目に焼き付けるために・・。

町に背を向けて、力強く歩き出します。
すぐに振り向きそうになる・・その気持ちを堪えて。

(今までありがとう・・、必ずまた戻ってくるから、きっと・・。)

目から水滴が零れ落ちます・・。
それを拭い、またさらに力強く、一歩踏み出しました。


『Magna Mater』とは「大地母神」を指します。
エンディングに相応しい壮大な曲を、ということで曲名もスケールを大きくしてみました。
曲作りのコンセプトとしては、映画などで使われるスタッフロールをイメージして作りました。
さまざまな楽器、音色を取り入れて、かなり面白い曲に仕上がったと思います。

旅をすることでソシエナはこれからもっともっと成長していきます。
でもそれは、快く送り出してくれた母親の存在も大きいのです。
別れ際に見せた母親の笑顔は、
ソシエナには偉大な母(Magna Mater)に映ったのでしょう。


希望を胸に、まだ見ぬ世界の端を目指して・・
そして、いつか必ず『あの人』に会えると信じて、

ハッピーエンドでもなく、
哀しい結末でもなく、
物語はまだ始まったばかりなのです・・。
私達の音楽は、永遠に止むことはありません・・。






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